外国人労働者安全衛生管理の手引き|要点と現場での使い方
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ご利用の前に
毎週の講話は、朝礼などで使う短い話の既製品です。雇入れ時・作業内容変更時の教育や特別教育など、法令で義務付けられた安全衛生教育の代わりにはなりません。
訳は当方で作成した既製品で、専門の翻訳者の監修を受けたものではありません。大事な指示は、本人が理解できたかを現場で確かめてください。
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外国人の仲間を雇い入れた事業場の担当者が、最初に目を通しておきたい国の資料が、厚生労働省の外国人労働者の安全衛生管理のページに掲載されている外国人労働者安全衛生管理の手引きです。令和4年度の厚生労働省委託事業で作成され、全体版と概要版があります。ここでは、その要点と、現場での使い方をまとめます。
外国人労働者の労働災害の要因
厚生労働省のページは、近年、外国人労働者数の増加に伴い、外国人労働者の労働災害が増加傾向にあるとしています。その要因として、次の3つが考えられるとしています。
- 業務経験が短い場合が多いこと
- 日本語そのものの理解が不十分であること
- コミュニケーション不足により職場の危険の伝達・理解が不足していること
手引きの「はじめに」は、コミュニケーションがうまく図れない要因は外国人労働者の日本語の未習熟にとどまらず、雇用する側の伝え方や、文化の違いへの理解、教育の体制が整っていないことも一因になっていると述べています。
この3つは、どれも雇い入れたあとの教育と、毎日の職場での伝え方で補えるものです。経験の短さは繰り返しの教育で、日本語の理解は短い言葉や絵・実物を使った伝え方で、コミュニケーション不足は、伝わったかを本人に確かめる習慣で補っていくことになります。
国の計画で掲げられた目標
手引きによると、第14次労働災害防止計画では、外国人労働者の労働災害防止対策を重点事項として取り上げ、次の2つの指標を掲げています。
| 指標 | 内容 |
|---|---|
| アウトプット指標 | 外国人労働者に分かりやすい方法で労働災害防止の教育を行っている事業場の割合を2027年度までに50%以上とする |
| アウトカム指標 | 外国人労働者の死傷年千人率を2027年までに全体平均以下とする |
| (参考)手引きの記述 | 年千人率は全労働者が2.7であるのに対し、外国人労働者では3.3 |
安全衛生教育の種類と雇入れ時教育の内容
手引きは、事業場で実施すべき安全衛生教育を、雇入れ時教育、作業内容変更時教育、特別教育、その他の安全衛生教育に分けています。受講する人が日本語を十分に理解できない場合は、母国語に翻訳された教材や視聴覚教材を用意するなど、周到な準備が必要だとしています。
職場のあんぜんサイトによると、雇い入れ時・作業内容変更時の教育の具体的な内容は、労働安全衛生規則第35条で次の8項目とされています(業種によっては(1)~(4)を省略できます)。
- 機械等、原材料等の危険性又は有害性及びこれらの取扱い方法に関すること。
- 安全装置、有害物抑制装置又は保護具の性能及びこれらの取扱い方法に関すること。
- 作業手順に関すること。
- 作業開始時の点検に関すること。
- 当該業務に関して発生するおそれのある疾病の原因及び予防に関すること。
- 整理、整頓及び清潔の保持に関すること。
- 事故時等における応急措置及び退避に関すること。
- 前各号に掲げるものの他、当該業務に関する安全又は衛生のために必要な事項。
省略できる業種を含め、詳しくは最寄りの労働基準監督署に確かめてください。
日常的な安全衛生活動の考え方
手引きは、外国人労働者を対象に行うのは無理だという先入観にとらわれがちな危険予知訓練やヒヤリ・ハット報告活動といった日常的な安全衛生活動について、その意義を問い直すことに力点を置いたとしています。KYTや4S(5S)のような表記は日本独特のもので、外国人労働者には馴染みがないため、なぜ必要か、どのように行うかを十分に説明することが大切だとしています。
雇入れ時の教育は一度きりですが、朝礼や危険予知訓練は毎日のことです。教育で伝えたことを、毎日の短い話で繰り返し確かめる流れを作ると、手引きの考え方を現場の行動につなげやすくなります。
よくある質問
外国人労働者安全衛生管理の手引きは、どこで見られますか?
厚生労働省の外国人労働者の安全衛生管理のページに、全体版と概要版が掲載されています。令和4年度の厚生労働省委託事業で作成されたものです。
外国人労働者の労働災害の要因として、何が挙げられていますか?
業務経験が短い場合が多いこと、日本語そのものの理解が不十分であること、コミュニケーション不足により職場の危険の伝達・理解が不足していることの3つです。
第14次労働災害防止計画の目標は何ですか?
外国人労働者に分かりやすい方法で労働災害防止の教育を行っている事業場の割合を2027年度までに50%以上とすること、外国人労働者の死傷年千人率を2027年までに全体平均以下とすることです。
雇入れ時の教育では、何を教える必要がありますか?
労働安全衛生規則第35条で、機械等の危険性又は有害性と取扱い方法、保護具等の性能と取扱い方法、作業手順、作業開始時の点検、疾病の原因と予防、整理整頓と清潔の保持、事故時の応急措置と退避、その他必要な事項の8項目とされています。業種によっては一部を省略できます。
出典
- 外国人労働者安全衛生管理の手引き【全体版】(厚生労働省(令和4年度委託事業)・令和5年3月)
- 外国人労働者の安全衛生管理(厚生労働省・ウェブページ)
- 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「安全衛生教育」(厚生労働省・ウェブページ)
- 業種別の教材(建設業に従事する外国人労働者向け教材)(厚生労働省・ウェブページ)
- 職場のあんぜんサイト 安全衛生キーワード「危険予知訓練(KYT)」(厚生労働省・ウェブページ)
出典の確認日:2026年10月15日
この記事は、公開日時点の公的資料をもとにした一般的な情報です。法令で義務付けられた安全衛生教育の代わりになるものではありません。事業場ごとの判断は、労働基準監督署などにご確認ください。